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第18回 業界の特殊性払しょく

この連載取材を通じてみえてきたパチンコ・パチスロ業界のこの数年間は、大まかにいって、従来存在していた業界特有の閉鎖性・特殊性を、他の業界と変わらない常識的なものに変えようとしてきた数年ではないかと思う。

遊技機メーカーの開発や製造においても、その基本技術・開発スタイルは一般的なゲームソフトやゲーム機製造と変わらないものとなりつつある。また、ホール事業者の経営の実態も、以前のドンブリ勘定、玉を出せば客は集まるといったものから、他の業界と変わらないマーケティングや店舗運営能力が求められるものとなっている。
特殊な業界、特別な商習慣の残存する業界と思われていたこの業界に、現在では多くの新卒新入社員が毎年入社し、メーカー各社には多くの技術者が職を得ている。パチンコ店のチラシ一つみても5年ほど前のチラシとは比較にならないほど現代的なものに変わっている。

こうした急激な変化を推進した主要因は、デフレ下の長期不況など一般的経済状況が反映してはいるが、同時に、この業界の有する現場主義、トップダウン型のすばやい意思決定なども大きく影響している。
規範や先例、固定的な観念や組織にとらわれない業界だからこそ、この変化をもたらしたのではないだろうか。このように考えると、先にパチンコ・パチスロ業界が一般産業・業界に近づいたと述べたが、一般業界・一般産業そのものがパチンコ・パチスロ業界に歩み寄っているようにもみられる。

「許認可ひとつでどうにでもなる、明日のみえない業界」とは、この業界への取材の中でよく耳にした言葉だが、振り返って金融・通信・情報・建築、明日のみえない業界は、なにもパチンコ・パチスロ業界だけではないのではない。
この業界の持つバイタリティー、常に変化に即応して生き残ろうとする飽くなき努力、可能性のある技術を貪欲(どんよく)に吸収する姿勢、この業界を産業研究の新たな立場から考える、一般業界の側から学ぶ時代を迎えているのではないだろうか。 (おわり)

<文章>2003,08,01/日刊工業新聞

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