パチンコにまつわるコラム|MGK 宮山技術研究所

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パチンコにまつわるコラム

第2話 「外枠屋の独り言」

「外枠(後ろ枠)」、これはパチンコファンの方は言うに及ばずホールの方やメーカーの方にですら忘れられそうになる、しかし無かったら非常に困った事になる、パチンコ機にとっては「空気」の様な存在なのです。 なぜなら「もし外枠が無かったら」と想像したら直ぐに合点が行く筈です。どのように内側のナイーブな機械を輸送の衝撃から守るのでしょう。どのようにホールの島に取り付くのでしょう。

第2話 「外枠屋の独り言」

ここで丁度「島」という言葉が出てきましたので先ずは島にまつわる「外枠」絡みの御話を・・・
皆さんは一寸前迄「外枠」にも2種類のサイズがあった事を御存知ですか?
関東・関西と言う2つのサイズが有り、ホールのある場所によって幅が9mmも違っていたのです。
関東地区は地価が高い為1台でも多くの機械を置いて稼ぎたい・・・。
関西地区(名古屋を含め)はまだまだ地価が低かったので御客様に余裕のあるスペースで楽しんで貰いたい・・・。
今は昔、嘘か誠か分かりませんがそんな話が伝わっております。

次にこの「外枠」製造時の私共プロでも悩んでしまう苦労話も一つ・・・
私共森創は先人の貴重な経験を受け継ぎ「外枠」を日夜製造、世に送り出しております。
その「外枠」の原材料は皆様も御存知、「木材」なのですがそれも所謂南洋材のラワンと言う木が主なものなのです。私共はこの木材の建築端材を利用して「外枠」を製造しているのですが、それでもこの先地球環境保全の矛先が向けられてしまいそうな現状です。これだけの均質で高性能な木材の代替を探すとなると、並大抵のものではありません。実際ラワン材ほどしなやかで強靭、その適度な使用はある意味地球環境に優しい(二酸化炭素の固定と言う面で)と言う事でこれほど優れた素材は他に無いと思っております。
また木材は湿度に敏感に反応して膨れたり縮んだりするのですが昨今のパチンコ機の精度要求は半端なものではありません。コンマ2〜3mmというのはざらであり、それをこの四季がはっきりした日本でまたそれより空調の効いたホール内で大過なく使用して頂く為のノウハウ、結構凄いものだと自負しております。

さてさて苦労話が自慢話に成ってしまいそうですのでこの話は此処までにして最後に私共が愛して止まない「木枠」の今後に付いて言及しておきたいと思います。 残念ながら将来的には所謂無垢の材を使用した「木枠」はマイノリティーになって行くでしょう。しかしながらこの地球からの最大の贈り物の一つである「木材」を利用した「枠」は不滅です。改良木材となって末永くこの業界の「縁の下の力持ち」でありつづけて行く事でしょうし、またそうなって欲しいと願うばかりです。
縁あってこの業界に身を置かれている方、また偶然宮山技研さんのこのホームページを通りかかった方も現在の精密機械の化身の様なパチンコ機もこの様に直接自然と繋がっている事を少しでも感じて頂ければ私共「木枠屋」と致しましては本望です・・・

<文章> 株式会社 森創 筐体事業部 石井次長 様