パチンコにまつわるコラム|MGK 宮山技術研究所

048-666-8680受付時間(平日)9:00〜17:00

パチンコにまつわるコラム

第3話 「パチンコメーカーと釘打ち機」

「外枠(後ろ枠)」、これはパチンコファンの方は言うに及ばずホールの方やメーカーの方にですら忘れられそうになる、しかし無かったら非常に困った事になる、パチンコ機にとっては「空気」の様な存在なのです。 なぜなら「もし外枠が無かったら」と想像したら直ぐに合点が行く筈です。どのように内側のナイーブな機械を輸送の衝撃から守るのでしょう。どのようにホールの島に取り付くのでしょう。

ぱちんこは玉と釘で遊技する。ぱちんこ台の心臓部は釘である。

昭和30年代までの釘打ち作業は、主に主婦のハンマー内職に依存していた。
毎朝、自転車・リアカーそして少ないトラックで内職を受けてくれる家を回って板と釘を配達し、午後から夕方に回収し工場の組み立てラインにのせていた。工場の生産台数は何軒の内職先を抱えているかで決まっていた。
当然のことながら、腕の良い内職先の奪い合いがメーカー間であった。

昭和39年に日工組は各メーカーの釘打ち作業を共同で行う作業所を設立し、当時の最新鋭のエアハンマーを使うことで生産台数を増加させたが、全体の生産枠は決まっていたのでラインの奪い合いがあった。
多分その後すぐ宮山技研はこの状況を見たか聞いたかして、釘打ちの合理化に取り組まれ、専用機の制作に着手されたのだろう。昭和49年には釘打ちコンピューターシステムを開発していただいた。この釘打ちシステムを採用することで、メーカーは製造台数の増加・製造時間の短縮・人件費の軽減が実現できた。

今は、液晶画面を使うことで釘の本数が200本前後に減ってきており、最新の釘打ち機も物足りなさを感じているだろう。これからは、300本以上の釘を打った多種多様のぱちんこ台を多数提供し、ファンと店との釘をめぐる競い合いを実現させていくなかでファンの増加を図らなければ、ぱちんこの将来は明るくない。

ともかく、静かな工場のなかでゴットン、ゴットンの釘打ち機の音を聞くのは良いものだ。

<文章> 日本遊技機工業組合 理事長 松原信男 様