パチンコにまつわるコラム|MGK 宮山技術研究所

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パチンコにまつわるコラム

第5話 「これってちょっと不公平だと思いません!?」

2006年7月末、人気パチスロ機の『吉宗』が全国的に検定切れを迎えました。
当然、『吉宗』の姿をいま全国どのパチンコホールにも見ることはできません。
ところで、この検定切れに伴う同機の撤去をめぐって、期限日を勘違いし、検定有効期間が過ぎてもそのまま設置していたことから、同機を押収されてしまったホールがあったようです。果たしてどういう処分が下されるのか、その点に全国の同業ホールの高い関心が集まっていたことが伝えられています。

『吉宗』のような旧要件機(04年6月末以前の旧規則下で型式適合および検定を取得した機械)には、厳しく設置期限が区切られています。すでに新規則が施行されているためで、新規則に厳密に照らすと旧要件機のほとんどは違法機に解釈されるからです。違法機を設置し、営業することは風営法により固く禁じられています。 しかし、新規則の施行と同時に警察から旧要件機の撤去が指導されなかったのは、『吉宗』のように旧要件機の検定有効期間が新規則の施行日をまたぐケースは例外とされたことによります。こういうケースには特例として新規則下であっても検定有効期限までの継続設置が認められていました。

営業停止期間の区分
営業停止期間 基準期間  
40日〜6ヶ月 3ヶ月






20日〜6ヶ月 40日
10日〜80日 20日
5日〜40日 14日
5日〜20日 7日

今回の件をめぐり同業ホールから高い関心が示されたのは、いくらうっかりミスとはいえ、規定に従えば営業停止は免れない違反事項にこれが該当するためでした。規定によると同じ営業停止でも、もっとも停止期間の長い処分期間(40日以上6ヶ月以下、基準期間3ヶ月)となっています。すでに述べたように違法機営業とみなされる可能性があるからです。ちなみに営業停止期間は重い順に「40日以上6ヶ月以下、基準期間3ヶ月」「20日以上6ヶ月以下、基準期間40日」「10日以上80日以下、基準期間20日」「5日以上40日以下、基準期間14日」「5日以上20日以下、基準期間7日」という具合に区分されています。
それともう一つは、問題の舞台となったホールが、全国的にも知られるチェーン店だったということです。そんな有名チェーン店にもっとも重い量定の営業停止処分が下される可能性が出てきたわけですから、業界内がにわかに色めきたつのも当然です。なかには日頃抱いていたやっかみから停止処分を望む同業ホールも少なくなかったと聞いています。

ところが実際に下された処分はどうやら指示処分だったような気配が濃厚です。指示処分というのは「今後気をつけろよ」程度の行政処分の中でももっとも軽い量定に位置づけられますが、規定に従えば、もっとも重い営業停止となるはずが、それが免れただけでなく、すべての営業停止を免れたらしいとの情報がインターネット上に流れたのです。果たして業界には大きな波紋が広がりました。「それはいくらなんでも甘過ぎるだろう」というわけです。
この処分決定にどういう経緯があったかは分かりません。片や、不正改造をまったく意図しないゴト対策部品の無承認変更で、90日の営業停止をくらった零細ホールがいた中で、おそらく大半のホールは釈然としない気持ちを抱いたことでしょう。「大手だから甘いのか」。このことです。
問題のホールは日本海側のとある地域で何もなかったかのように営業を継続しているとのことです。

<文章> (株)アド・サークル 『月刊グリーンべると』編集部 F様