パチンコにまつわるコラム|MGK 宮山技術研究所

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パチンコにまつわるコラム

第7話 「沖スロのはじまりとこれから」

早いもので、俗に沖スロと呼ばれている30パイ機が本土に本格的に導入されるようになってから10年になろうとしています。
これまで弊社でも「シオサイ-30」を皮切りに、本土内においても定期的に新機種をリリースしてきました。ゲーム性はいたってシンプル。レバーをたたき、告知ランプを注視する。そしてランプが光ればボーナス確定。光らすためにひたすらレバーをたたく。ただそれだけであり、一見単純作業の繰り返しのようでもあります。沖スロについて尋ねてみると、ある人は「単純すぎてツマラナイ」またある人は「単純だからこそアツイ」と言います。我々は後者の「単純だからこそアツイ」と言ってくれる人たちや、機械の“アツイ”ポイントに注目し、この部分をつきつめていくことが沖スロ市場で成功を収めるカギであると考えて機械作りをしてきました。

第7話 「沖スロのはじまりとこれから」

しかし、沖スロはその名のとおり沖縄特有のスロットです。その機械がなぜ本土で導入されるようになったのかは、少なからず導入されはじめた当時のホールさんを取り巻く環境が関係していると言えます。沖スロが本土で導入されはじめたのは1997年になるのですが、その頃は4号機とはいえAT機能もなければストック機能もありません。パチスロはリーチ目主体のA400タイプが主流でした。プレイヤーはリプレイ外しでボーナスの獲得枚数を増やしたり、数多くのリーチ目を覚えてコインロスを抑える努力をしたりと、技術や知識を介入して遊技している人が多くなりました。プレイヤーの年齢層も以前より低くなり、年配の人々の中には「難しそうだから、パチスロはやらない」といった声も少なからずありました。ホール側から見てみると、どの店に行っても基本的にパチスロはA400タイプの機械ばかりであり、自店の独自性というか他店との差別化をどうやって出していくかという点では難しかったことと思われます。

そんな中、他店との差別化の1つとして沖スロを導入するホールさんが現れました。シンプルなゲーム性により初心者を取り込むことができた。離れてしまった高年齢層のお客さんを再びパチスロコーナーに引き戻すことができた。設備投資がかかることにより他店が追随しづらかった。これまでの25ハイコインでは味わえない重量感と出玉感があった。 このような要因によって、30パイはうまく本土でもスタートすることができ、現在ではスロットの1つのカテゴリーとして認知されるに至りました。

ストック機全盛の時代も設置台数を伸ばした沖スロ。
ところが4号機から5号機への過渡期にある現在、30パイコーナーを再び25ハイに戻すホールさんも少なくないようです。このことに関しては地域によっても温度差があるようですが、「コイン単価が上がらない」「差玉が出ない」等々売上に関する危惧が主な理由のようです。

しかし、ここで私は「ちょっと待ってくださ〜い」と申し上げたいです。せっかく設備もあるし、他店との差別化にもなるし、5号機の規則の中での出玉感演出も可能。何だか言っていることが97年時みたいですが、状況的に似ている部分もありますね。
今後も私たちは今までと変わらず「シンプルイズベスト」な30パイ機を開発し、リリースし続けていきます。
どうぞ、注目してください。

<文章> 株式会社パイオニア  山下和人 様