パチンコにまつわるコラム|MGK 宮山技術研究所

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パチンコにまつわるコラム

第11話 「パチンコの部品の中には」

パチンコの部品の中には、「なぜ現在の形になったのか」明確な理由が存在しないものが幾つかあると思います。弊社が製造しているパチンコ用の合板もその一つです。一般的に流通している建材用の合板の厚みは6mm、9mm、12mm・・・といったように、3mmの倍数が一般的です。パチンコ用合板は19mm。一般的な合板工場では製造されていない厚みです。お客様であるパチンコメーカー様からも、「パチンコ用合板が19mmである根拠」をご質問いただくことがありますが、実は明確なお答えができません。有力な説としましては、静岡県で茶箱用として使用されていたブナ合板の材料をパチンコ用に流用したところ、たまたま具合が良かったのでそれがパチンコ用途として定着したと言うことです。この説も伝説の域を出ませんが、まあパチンコにはオカルトがつきものということで・・・。
ただ、その時々のご要望に合わせて変化してきていることもあります。

昭和46年以前のパチンコ盤面は、木枠に釘で直接打ちつけてあり、その板に発射からレール、役物、釘などが全て取り付けられていました。従って、現在の合板よりもかなり大きなものでした。現在は発射装置とレールの部分で切り離して、盤面だけが取り換えられるように「分離脱着式」になっているため、当初のものよりも小さいものになっています。
素材に関しては過去に様々な木材が試されてきた様ですが、現在は3種類の合板に分類されます。上記にありますブナ材は古くから使用されており、パチンコ用合板の代表格です。ブナ合板は釘の保持力が高いことにより、パチンコ用として長く使用されております。ただ、国内のブナ林保護の観点から、一時期ブナ材の供給不安が叫ばれ、南洋材の合板が登場しました。南洋材は保持力こそブナに劣りますが、板の反りが少ないことが大きなメリットと言えます。また、上記の材料を組み合わせた南洋材とブナのハイブリット合板もあります。こちらはまさにハイブリットで、反りを抑えた上で釘の保持力を確保するために開発されました。これらの合板は、各メーカー様の指定で使い分けております。
最近では、盤面の意匠性を高めるために透明なアクリル板も使用されるようになりました。こちらは、盤面に直接釘を打つ事ができないため、釘を打ち込むための穴をドリルで空ける必要があります。その穴の大きさによって釘の保持力が決まってくるため、精密な加工技術が要求されます。

パチンコ盤面の今後の素材としては、植林木の実用化が必要であると考えております。人の手によって育てられた植林木の中から、パチンコ用に適した材料を見つけて使うことにより、将来的にも枯渇することのない材料供給が可能になると考え、日々研究に励んでおります。

<文章> 中部特殊合板株式会社 代表取締役 仲島正信 様